沖縄のお勧め本・小説
Anemone fish in Okinawa

沖縄本のイメージ

なんと言っても池上永一

池上永一氏の小説群  以前テンペストでドラマ化されたりブレイクしましたが、彼の書いた本は舞台となる場所の情景描写がはんぱなく上手くて、景色が目の前に浮かぶような書き方をしています。初期は沖縄の離島を舞台にしているものも多く、島の暑い風や木陰のベンチの快適さなどが手に取るようにわかります。ストーリー展開も秀逸で、是非一度読んでいただけたらきっと気に入っていただけると確信しています。
経歴:那覇市に生まれ、3歳より中学卒業まで石垣島。
沖縄県立開邦高等学校卒業、早稲田大学人間科学部人間健康科学科催眠専攻中退。 1994年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し活動開始。
1998年、『風車祭(カジマヤー)』が直木賞候補となる。
作品を出版順にあげると
バガージマヌパナス 1994年
新潮社
漫画化
改題バガージマヌパナス
(わが島のはなし)
1998年文春文庫
2010年角川文庫
離島好きならお勧め
風車祭(カジマヤー) 1997年 文藝春秋
2001年 文春文庫
2009年 角川文庫
離島好きならお勧め
漫画化
あたしのマブイ
見ませんでしたか
2002年 角川文庫 短編集
レキオス 2000年 文藝春秋
2006年 角川文庫
早川『SFが読みたい』
2001年版国内2位、
第21回日本SF大賞候補
漫画化
夏化粧 2002年 文藝春秋
2006年 文春文庫
2010年 角川文庫
 
ぼくのキャノン 2003年 文藝春秋
2006年 文春文庫
2010年 角川文庫
 
シャングリ・ラ 2005年 角川書店
2008年 角川文庫
早川『SFが読みたい』
2006年国内3位、
第27回日本SF大賞候補
漫画化・アニメ化
テンペスト 2008年 角川書店
2010年 角川文庫
テレビドラマ化
トロイメライ 2010年 角川書店
2013年 角川文庫
 
統ばる島 2011年 ポプラ社
2015年 角川文庫
 
トロイメライ
唄う都は雨のち晴れ
2011年 角川書店  
黙示録 2013年 角川書店  

ぱいかじ南海作戦(新潮文庫)


ぱいかじ南海作戦
あの椎名 誠氏の本です。(昭和軽薄体と呼ばれる文でつづられた「さらば国分寺書店のオババ」以来のファンです。)
内容は会社が倒産、妻にも去られて失意のなか南の島にやってきた主人公は、やさしい風の吹く沖縄の島で海浜キャンプ生活に入ります。しかし世間はこんな彼をほっほおって置いてくれない警察、盗賊、蚊、関西オバハン。 例の通り焚火とビール、海、格闘技やキャンプ、冒険がいっぱいの椎名ワールド小説。 こんな島での生活に女の子達も登場して話に色を添えています。海岸で魚とって飽きたらゴロゴロ。夜は漆黒の中の星空を見ながら ビール?こんな生活あこがれちゃいますよね。沖縄旅行に持っていったらテンションあがると思いますよ♪

メタボラ(朝日文庫・文春文庫)

メタボラ
朝日新聞に連載されていた桐野夏生氏の作品です。
記憶をなくし沖縄のジャングルをさまよう若者ギンジと、宮古島出身の強制訓練施設から脱走してきた昭光(アキンツ)(サイガー、オゴエッ、スンキャーなどの宮古口が楽しい)の出会いから物語が始まり。
二人はコンビニアルバイターの女性のアパートに潜り込む。彼女はもう1人の女とルームシェアをしていて、彼女達のいざこざに巻き込まれて、そこにいることができなくなります。別々に住み込みバイト、簡易宿スタッフ、ホストなどをしながら生活していきます。生きてゆく。 ギンジは記憶取り戻し始める。途中から、沖縄での物語と、柏崎での偽装請負の工場で働く記憶が交互に。沖縄にくる自分探し系若者のカリスマとしてイズムいう男が登場。彼は恩納村でパラダイスマニア・ロッジというボランティア組織を運営している。 実在の誰かさんを髣髴とさせるキャラで楽しめます。
後半は派遣労働の結構重いテーマなんで読後爽快というわけではありませんが、読み応えのある良い本です。

ナツコ ・沖縄密貿易の女王 (文春文庫)

ナツコ 


奥野 修司氏のノンフィクション
戦後の沖縄復興を細かく描き出したレポートであり、 何もなくなった島で必死に生き抜いた人々の話。米軍の占領から場当たり的で無策な統治に沖縄の人々が振り回され、それにどう対抗してきたのか、沖縄の現状を知るためにも一読をお勧めしたいです。 そんな社会で誰もが手を染めていた生きていくための台湾や日本との間の密貿易。そこで異彩を 放った女頭領ナツコ。彼女は才覚と行動力でのしあがっていきます。あの時代、沖縄は今よりも別次元の元気があったことを伝える著者の思いも感じられます。
ナツコの一生を再現する作業に長い年月を費やした著者に感動。
あ、勿論かたい事抜きの話としても面白いです。



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