琉球歴史の名度とロマンその一 |
 沖縄の歴史の全体的な流れにも触れていますが、特に世界遺産関連の情報が豊富に乗っています。
その中には言い伝えとか伝説なども載せられていて、基本的には歴史書ですが 堅苦しくなく、沖縄の伝統文化に興味があれば抵抗なく読み進められる本。
著者の亀島氏は、沖縄テレビの沖縄の昔話の原作、琉球放送の源 為朝伝説を追えの脚本などを手がけている方。
この本は、那覇市教育委員会などの推薦も受けています。
(発行所:環境芸術研究所 著者:亀島 靖) |
改めて感じたこと
久しぶりに世界遺産をすべて回ってみて、以前よりも大分整備が進んでいることに驚きました。
斎場御嶽を例に取ると、沖縄に来た頃には駐車場さえ整備されていなくて地元のタクシーの運転手さんにきいても場所がはっきりしないような状況でした。 それが行くたびに整備が進み、周辺にはモダンな食事所やロケカフェができるようになり、入口には緑の館セーファーなる建物ができていて料金を徴収するようになっています。そのうえ広々とした駐車場は駐車禁止になり、坂の下のほうにできた売店の駐車場を利用せざるを得なくなっていました。
考えてみたら、私も沖縄に住んでずいぶんと年を重ねたものだと改めて思いました。
那覇から一番遠い今帰仁城跡はどうしても行く頻度が低くなりがちで、今回行ってみてびっくり。
入口付近に大きな公園と建物ができて、そこにお土産やさんとか軽食の店が並び、ここでも入場料の徴収が…以前は本当に静かな城跡と鄙びた売店が一軒だけあって、良い雰囲気だったのに…。
と、どうしても昔を懐かしんでしまいがちですが、遺産自体の整備は着実に進んでいて、今始めていかれる方には快適に見学する環境が整ってきてということなのでしょう。
しかしながら、世界遺産に指定されたことにより過度に観光地化されて、その本来の意味である保全の妨げになる可能性も低くなく、そのあたりのバランスをいつも忘れないように整備をし進めるべきでしょう。ましてや地元の業者優先の方策などもってのほか。これからは行政でも、これらの世界遺産全体を一つのまとまりとしてより楽しんでいただくための努力をして欲しいものです。もう箱物だけの公共事業や、短絡的にカジノを作ったら来県者が倍増するなどという発想から、沖縄ならではの他県にはない文化、歴史をより生かしたプランをもっとソフト的に拡充していくような、地に足の着いた県内観光産業を発展させていく方向に舵をとる時期に来ているのではないでしょうか。