さらば台風8号     コアラ -2014/07/12(Sat) 14:17 No.5492

 

台風8号の掲示板 さわやかに吹き抜ける風のようなkaotti1さんの久米島旅行記の後に、こんな高脂血症、もう血がドロドロという感じのワタクシの旅行記を続けてしまうのは誠に心苦しく、関係各位には伏してお詫びを申し上げます。
読んだあとの口直しにはkaotti1さんの旅行記をどうぞ。
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  今回のはね、 「刻一刻と迫りくる超大型タイフーン!脱出の望みをかけて続々と空港に詰めかける人たち。果たして彼らは無事に本土に降り立つことができるのか?全米を震撼させた手に汗を握る怒涛の台風スペクタクル大巨編!」
というあたりを狙っていますが、果たして(笑)。
 ぜひ、ピンク・フロイドの『吹けよ風、呼べよ嵐(One of These Days)』を聴きながら。

■7月4日(金)
朝まだき、曲が部屋に鳴り響く。  
♪ふな ふな ふな ふな ひゃっは〜っ!  ♪ふなっし〜 みんな元気に ひゃっは〜っ!
…うわっ!何がイヤってあの美しさのカケラもない、デザイン性が微塵もないキャラが異様なテンションでクネクネ踊るのが生理的にダメ。ひゃっは〜!じゃないっての! だからこれは目覚ましに最適なのだ。
体がかゆくなって身もだえして跳ね起きる。今日は宮古島に出発する日。仕事じゃないのだから寝過ごしてはいけないのだ(仕事は寝過ごしてもいいのか?)。 はぁ。
飛行機から見た加計呂麻島2月に予約してから4か月間。長かったなぁ。
気温は21℃、外は雨。宮古島に行くとなったら雨に濡れることすら楽しい。傘も持たずに、口笛ふいてサンダルで水たまりをジャブジャブ蹴散らしながら駅に向かった(でもずぶ濡れになって駅のトイレで着替えた)。
 那覇行きの飛行機では、ステキな女性が隣に座って「あら。どちらまでですの?」
「宮古島です(キリッ!)」
「まぁ奇遇ですわね、実はわたくしも(はぁと)」
というようなヨコシマな妄想を膨らませるのだが、いまだかつて、たった一度たりともそんな経験がない。  どうやら航空会社の自動座席割り振りシステムは、申し込まれた年齢と性別によって《オヤジの隣はオヤジ》になるようなアルゴリズムを組みこんでいると思われる。くそー。次回は性別を替えて予約してみよう。

乗り継いでお昼過ぎに宮古空港到着。 うるさいほどの蝉しぐれに迎えられた。
まさにそのころ、フィリピン沖でひそかに小さな渦巻きが胎動しているのを予感させるものは、その時点では何ひとつなかったのである(ま、あったとしても気持ちが浮ついているから気づかなかったね)。
DOUG’S BURGER空港の駐車場であちこち傷だらけのレンタカーに乗り込む。
 DOUG’S BURGERで遅めの昼食をテイクアウトして、気になっていた新城海岸へとクルマを走らせた。
森林法違反とやらで、新城海岸に建てられていたトイレ、シャワー施設などが宮古島市によって撤去された記事が3月に掲載されたが、そうしたら海の家はどうなったのだろう?
みよしやの真っ黒オヤジさんの仕事場も取り壊されたのだろうか?

坂道を下りると右手(みよしや側)の駐車場にはロープが張られている。左手にあった駐車場はそのままで、20台程度は停められる。左手の駐車場が黙認されたのなら、なぜ右側の駐車スペースを使えないようにしてしまったのだろうか?
「海の家」は? …ありました。そのままで。
新城海岸海の家新城海岸にはふたつの「海の家」があって、どちらもよしず張りの無料休憩所が使える。共同で使っていたボロボロの更衣室が撤去されたので、どちらも新たに自前の更衣室を造っていた。
撤去後に相当な数の苦情が市に寄せられたのだろう。いかにもとってつけたようなシャワー施設が坂の途中にあった。しかもトイレを設置したと言ったって工事現場に置いている簡易トイレである。
何より動線がひどい。泳ぎ終えたら、まず坂の途中まで登ってシャワーで潮を洗い流す。
それからどちらかの海の家の更衣室に向かうわけだが、そこまでに砂浜を歩くので濡れた足にまた砂が付く。砂を気にしながら(パンツに足を通す時が一番嫌だ)着替えを終えたらもう一度シャワーまでトボトボと坂を上がって足の砂を洗い落とさなければならないのだ。
全く考えられていないでしょ。

新城海岸海の中さてフィンを履いてそろりと海に漕ぎ出す。
マスクを海に浸けてみてがっかりした。濁りが入っていていつもの新城海岸の海ではない。
海や湖の清澄さを表すのには、垂直方向を「透明度」水平方向を「透視度」というらしいが、そのどちらも優れているのが宮古島や慶良間の海だったはずなのに、水平方向の視界は例年よりずっと悪かった。
1時間ほど泳いでビーチを後にした。  「お疲れ様でした!」「また来てね!」と口々に声をかけられる。さんぴん茶1本しか消費していないのにね。

  ホテルはいつもの『ピースアイランド宮古島』。部屋に1台ずつ乾燥機付き洗濯機が設置されているのはとんでもないアドバンテージなのだ。
フロントにサトルくん(仮名)の姿は見えなかった。嫁いだのかな?それとも市役所前に新館を建設中(2014年8月オープン予定)らしいからそこに回されたのだろうか?
  ※「サトルくん(仮名)」にご興味がある方は2012年の旅行記で触れています♪

島バル PRAVIDA 風に当たりながら暮れなずんだ街をそぞろ歩いて『島バル PRAVIDA』のカウンターに腰を落ち着けた。
「去年はサザエやらほら貝を持ち込んでご迷惑をかけました」と言ったら
「覚えていますよ〜。ほら貝は甘くて最高でしたよ!」と飯島さんが笑っている。
ガラスの器に盛られた前菜は、島で獲れたカツオ、タコのジェノベーゼソース和え(このソースが鮮烈においしい)、合鴨のスモーク。白ワインをボトルで注文し、鳥の肝(レバー、ハツ、砂肝など)、ミジュン(いわし)の香草パン粉焼きなどをいただいた。
いい店が多い宮古島の中でもこの店が私は一番落ち着くから、どうしても一度は立ち寄ってしまうのだ。
2〜3組いた先客が帰った頃合を見計らって彼らにもビールを振舞い、カウンター越しにあれこれ四方山話が尽きない。おなかもくちくなったので、〆にグラスの赤ワインとハーフポーションのパスタをお願いした。

酔いが回った体を引きずって『Bar THINK』のドアを押す。
ドミニカ・ラムのグラスを手のひらでいじりながら聞いた「明日正午」「自宅で待ち合わせ」という言葉だけが、記憶の中に切れぎれに残っていた。

■7月5日(土)
 朝食会場のTVで台風8号の情報が流れていた。PRAVIDAで耳にはしていたけれど、昨夜の時点ではまだ他人事だった。フロント脇のパソコンで検索すると米軍予測ではやや東寄りのコース、気象庁は先島諸島に近づくコースを予測していた。
晴天だが風が強まったようにも感じる。
午前中に与那覇前浜を訪れてみた。いつも通りウィンディまいばま横の駐車場に停めると、目ざとい業者が声をかけてくる。
今まではこういう営業がいない静かなビーチだったのにね。
与那覇前浜
今年の待ち受け画面にする写真を数枚撮ってから、マンゴーを買うために『ワイドー市場』に向かった。
ところが昨年6月まで『ワイドー市場』があった場所はラーメン屋になっていた 。
あわてて探し回るとイオンタウンに向かって左端のヤマダ電機の隣、道路からは建物の陰になって見つけづらいところに移転していた。
化粧箱に2〜3個入った贈答用マンゴーが2千円ぐらいから置いてあるのでとてもお得なのですよ。

お昼近く、うっそうとした屋敷林に囲まれた仙人(Barのマスターは自分のことを「亀仙人」と称している)のお宅に到着し、出てこられたとてもキュートな奥様としばし話をした。
最近はいろんな生き物に興味を抱いて、宮古島暮らしがますます楽しくなったのだとか。
差し渡し80cmもあるオオコウモリが毎晩庭にある木の実を食べにバッサバッサ飛来する話や、緑色のカタツムリの話を聞いている間にやぶ蚊に何か所も食われた。宮古島の蚊め。 飲んだくれの血を吸ったらどうなるか思い知ったか。孵化したボウフラはヘロヘロと水面に浮かぶばかりか、駅のベンチで終電まで眠りこけてるぞ(それはオマエだ)。
真謝(まじゃ)ビーチ  さて仙人に先導されてヒミツビーチNo.1に向かった。どこをどう走っているのかさっぱりわからないが高野漁港に近いあたりだという。しかし車を降りた途端、岩に砕ける波の音に仙人の顔が曇った。
「昨年案内した浜(ヒミツビーチNo.2)よりきれいなのだけど、これじゃちょっと入れないな」
比較的波が入らないからという理由で真謝(まじゃ)ビーチに向かう。波打ち際からはしばらく藻場で、リーフエッジに近くなったあたりからサンゴが見えてきた。

  実はワタクシ、早々に足がつりそうになってずっと仙人の浮き輪で引いてもらっていた。恥ずかしい。
そういえば一年間、何一つ運動をしていないものね。トレーニングと称して30分間歩いたのが3回(1年間で)。
長友佑都の体幹筋力アップは、本を買っただけでは筋力がアップしないことが分かっただけでも良い買い物をしたと思う。
でもやっぱりここも濁りが入っていたね。うねりもきつくて1時間半は大変だった(引っ張っている仙人はもっと大変だったか?)。
うむ。収穫は少なかった。仙人が潜って拾ったサザエ1個である。←この恩知らず 高野漁港まで戻って無料シャワーをお借りした(真謝港にも小さなシャワーはあるみたい)。今日はこれで満腹。
一年分の塩水も飲んだし。ああ美味しかった宮古島の海水、と負け惜しみを言っておきます。

居酒屋『でいりぐち』 そういえば今回は1日1ビーチ。午前中に海に出てのたりのたり泳ぎ、午後3時前後にホテルに戻って、ビールを飲んでひと眠りしてから居酒屋に乗り込むという極めて老人っぽい旅行をしていた。
もうね、ガツガツ泳がないことにしたの。

 この夜は居酒屋『でいりぐち』を予約していた。
通された席には《ウェルカムカード》が置いてあった。
どの席にも置いてあったから予約客への嬉しい心遣いだね。
注文したのは「島らっきょうの塩もみ」。
ふつうは「島らっきょう」とか「塩らっきょう」と称するのにわざわざ 「塩もみ」と付けているのは製法に何か違いでもあるのかどうか、今まで食べた中で一番くっきりした味でおいしかった。刺身は今日の品ぞろえからイラブチャー(アオブダイ)とセーイカを選んだ。
ねっとり甘いセーイカには辛口の日本酒を冷やで添えたいところだった。
また厚揚げ(豆腐は石嶺豆腐店のものではないはず)に添えられた自家製ラー油がいい。
焦がした唐辛子(と、にんにく?)の香ばしさ、ほろ苦さが大人の味だ。それに鰹節が存外しっかりした味わいで、これは市販の安モノなどではない。
「このラー油、おいしいねぇ」とフロアのお姉さんにつぶやいたら、調理場の若い兄ちゃんを指さして
「彼がつくったんですよ〜」と笑顔を見せた。
タオルで鉢巻した兄ちゃんはアタマを下げながら
「ありがとうございます。苦心してつくった甲斐があります」と言う。
若いのにお客へのこんな当たりも気持ちがいい。 ここや『志堅原(しけんばる)』は比較的新しい店だが、すでに地元の人たちでずいぶん賑わっていた。応援したくなるね。
ふくらはぎが重い。支払いのときに湿布薬を置いているコンビニはどこかと尋ねたら、お姉さんがレジの下をガサゴソ探して、買い置きの湿布を何枚も渡してよこした。
「よかったら使ってください。宮古島トライアスロンの参加者もみえるので常備してるんです」
立ち寄ったいつものBarで飲んだ酒が、心なしかいつもより沁みた。 ふくらはぎの湿布薬も沁みた。

■7月6日(日)
伊良部島の海 台風襲来が現実のものになりつつあった。速度は若干変わっても、間違いなく一両日中には沖縄付近を通過するだろう。しかも「数十年に一度の規模」とか「中心気圧930hPa、瞬間最大風速は70m」などと報道されて、観光客は浮足立っている。
本来ならば7日に伊良部島に渡り、中ノ島ビーチで泳ぎ、夜は今回の旅のメインイベントとして楽しみにしていた伊良部島『琉宮』で思う存分に料理をいただく予定だったが、おそらく8日にフェリーは出航できず宮古島に戻ることができない公算が大きい。
それどころか予約している8日の飛行機が飛ぶのかすら危うい。 そこで私は朝一番に宮古空港に出向いて、予定より1日早いチケットへの変更を頼んだ。
幸いに7日宮古〜那覇間の午後便に空きがあったが、那覇から先はキャンセル待ちになるそうである。
運を天に任せるしかない。 出かける前に、手渡すはずだったお土産を宅配便で発送した。
  『琉宮』のご主人と、大好きな『伊島観光』のお母さんに。私が愛してやまない人形町・甘酒横丁の老舗『草加屋』の手焼きせんべいである。三代目・桂三木助が金庫に隠して弟子の口には入れさせなかったという「三木助の手焼き」とビールのアテにぴったりな「鬼棒」「黒こしょう煎餅」、後を引く「黒ゴマ煎餅」。
それに伺えなくなったお詫びの手紙を添えて。

吉野海岸の海の中 朝から池間島をグルリと一周してみた。
ロープ下では3人ほどが泳いでいる。波はそれほど立っていない。
一方でフナクス(舟越)の駐車場はビッシリ満車状態であった。どうやら今日までなら東向きのビーチでも泳げるようだったので『すむばり食堂』で腹ごしらえをしてから吉野海岸に向かった。
無料の『勝っちゃん駐車場』にクルマを置いてビーチまで送ってもらう。ビーチの売店に人がいなかったので勝っちゃんに聞いたところ
「いいさ。クーラーボックスに冷えた飲み物が入っているから、好きなのを持っていけば。あとで《これ飲んだよ〜》って払ってくれればいいからさ」
「パラソルもこっちはウチのだから、好きに使ってね」
勝っちゃん、あなたは《レンタル業者》というより《慈善団体》に近いよ。
吉野海岸は新城海岸ほどには濁りは入っていなかったが、本来の透明さとまでもいかなかった。
30分×3本ゆっくり泳いだけれど、サンゴはかなり傷んでいる印象だった。
海に向かってもっと右側の、人が行かないような場所だったらサンゴが残っているかもしれないが、ビーチ中央から左側は見る影もない。ただ満潮で波が入ってきていたので、私はリーフエッジのかなり手前までしか泳げていないから参考意見にとどめてくださいね。
上がろうと駐車場までの迎車に乗り込んだら、運転する年齢不詳のお姉さんが「ちょっと待っていてね」とビーチのクーラーボックスを覗きこんでいた。 やがてきれいにカットしたマンゴーを片手に戻ってきて「お客さんみんな、ひと欠けずつだけどつまんでね。島のマンゴーはおいしいよ!」
本当に甘酸っぱくておいしいマンゴーだった。
勝っちゃん駐車場は無料である。シャワーや更衣室もタダで使わせてもらえる。その上こういうサービスもあるのだ。でも何より一番尊いのはね、彼らが《サービスしている》などと微塵も考えずに自然体でもてなしていることなのだろうと思う。
明日、台風を逃れて那覇に飛ぶ。しかし羽田までのキャンセル待ちが取れなければ那覇で1泊ないし2泊しなければならなくなる。たぶん那覇のホテルはどこも混雑しているだろう。
そんな話をしていたら年齢不詳のお姉さんが「それならね、那覇に《エアウェイ》というビジネスホテルがあるから、そこに電話して宮古島の●●から聞いたと言ってみて。きっと何とかしてくれるはず」
そして本当にそれは役に立った。

『志堅原』の料理
図らずも今夜が宮古島の最後の夜となった。 『志堅原』にフリで入ったら1席だけ空いているという。
タンドリーチキンとクリームチーズのサラダ。スパイシーなチキンが食欲を取り戻させてくれた。
ビタロー(フエダイ)のマース煮、ツボ鯛の一夜干し。

  そうだよ。
明日のことは明日に任せて、今夜もいつも通り飲み潰れてしまおうじゃないの。


宮古島たこ公園■7月7日(月) 
  いよいよ風が吹き募ってきた。飛行機までの時間はあるし、来間島のタコ公園に行ってみようと発作的に思った。
どうしてかって?
きっと昨日『すむばり食堂』で食べたタコ丼の怨念が引き寄せたのだろう。タコ、旨かったもんね。
あの公園はいろんな意味でフシギだ。
第一、両脇の茂みから今しもシベリア虎が飛び出してきそうなジャングルを延々10分も歩かなければならない。そしてその果てにある、一本の腕を天に向けたタコのモニュメントの意味も分からない。
なぜタコなんだ?カツオでも良かったじゃないか?
つ いでに下のビーチまで降りようとして、通路の空間に大きなジョロウグモが巣を張っているのを見てやめた。沖縄のクモは小鳥まで食っちゃうからね(YOU TUBEで探せばあります)。小柄な酒浸りのオヤジなんかひとたまりもないのだ。だからタコ公園下のビーチに降りる方には、どこかで前もって枯れ枝を拾われることを推奨します。
オリックスレンタカーにクルマを戻すと「旅行を切り上げて帰るお客さんで、朝からてんてこ舞いです」とのことだった。宮古空港も人でごった返していた。満席になっている《レストランのむら》は初めて目にしたよ。

航空券 那覇空港に着いてまず羽田便の「空席待ち整理券」をもらう。「種別:B、整理券番号180番」を握りしめて1時間、2時間と無為な時間が過ぎていくが一向に呼び出しがない。
この整理券の「種別」とは簡単に言えば(A)…優良顧客、(S)…プレミアムシート購入者、(B)…一般席客、(C)…ディスカウントチケット客という分類のことで、空席待ちもこの順番になる。
つまり「Bの180番」の前にはたぶん200人以上の待機者がいるだろうから、自分の番がいつになるのか皆目見当がつかないのであった。
とりあえず勝っちゃん駐車場の年齢不詳お姉さんに教えてもらったホテル《エアウェイ》に連絡をして、最終便までキャンセル待ちをしていたいが、ダメとなって夜中になっても宿泊させてもらえるか尋ねた。
「ご心配いりません。何時になっても一部屋は確保しておきます!」と言ってくれた。これは心強かった。
とにかく万が一の場合でも那覇での宿は確保できた。

飛行機発着情報掲示板午後4時半ごろだったか、唐突にアナウンスが流れた。 「羽田行は本日21:40に臨時便を運航することになりました。振替ご希望のお客様は…」すぐに空席待ちカウンターに飛んで行って手続きを済ませた。
 羽田空港に到着したところですでに電車はないかもしれない。それでも何とか9日に出勤できるだけでありがたい。実はこのとき空港係員に教えてもらったのだが、空席待ち整理券で今日の飛行機に乗ることができたのは一人もいなかったのだそうだ。
何ですとーっ!すると当てもなく待合所で待っていた私たちは、「希望がない希望」を待っていたということなのデスか。 今度は急いで羽田空港に近い京浜急行沿線のビジネスホテルに連絡して一部屋予約した。
これも幸い何とか空いていた。

『小桜』の料理さてそうすると出発までぽっかり4時間ほど時間が空く。もう那覇空港は飽きた。トム・ハンクスじゃあるまいし、空港には住みたくない(映画『ターミナル』)。
荷物をロッカーに押し込んで、ゆいレールで見栄橋まで出ることにした。ゴウゴウと吹く強い風に時折パラパラと雨が混じる。
ただ臨時便の座席は確保したものの《それが本当に飛ぶかどうか》はまだ分からない。 一抹の不安を抱えたまま『小桜』の扉を開けたら20代から30代前半の若い男女三人が調理場に立っていてびっくりした。
この店は若者向きの居酒屋ではなくて、どちらかと言えば昭和の店。オジさんがこよなく愛する渋い居酒屋だったはず。でも間違いなく店頭の赤い大提灯はこの店のものだったよね。
一瞬絶句した私が「あの。中山さんは?」と聞くと「父はちょっと外出を…」
「ええっ?息子さんなの!」「ええ、全員。ボクが長男、こっちが二男、そして長女です」
一挙に緊張がほどけたわ〜。 突き出しの太モズクはゴマ油と醤油で味付けしてある。
いくつかのツマミと一緒に絶品ソーメンチャンプルーも注文。ああ、ちゃんと味は受け継がれているよ。
ついでに沖縄IMAの旅行記でぴろさんがほめまくっていた「みそピー」を試してみた。
うおっ!これは想像のはるか上を行く食感と味だ。
丸ごとごろりとしたピーナツが惜しげもなく投入され、歯の間で香ばしく砕ける。豆をコーティングしている甘味噌は市販の品に比べてしつこさがなく、これはいくらでも摘まめそうだ。お願いして二人前持ち帰りにもしてもらったら作り置きが底をついたらしく、隣席の若い女性たちが注文した時には謝られていた。
そういうときに隣で平気で食べられます?
私は申し訳なくて、食べかけの皿を「よろしければどうぞ…」と隣のほうに静かに押しやってしまったよ。
やがて中山さん(父上)がフラリと戻ってきた。ビールを片手に無言で店の外を眺めていた。
何だか疲れ果てて生気がなくなっているように見えて、声をかけづらかった。
商売の代替わりができるというのは素晴らしいことである反面、仕事をすべて手渡してしまった親の心の空虚さというのもあるのだろうか。

臨時便の運航が決定したので、那覇で待っていてもらったホテル《エアウェイ》にお礼とともにキャンセルの連絡をした。
「良かったですね」と言ってもらえてさらに恐縮した。
機内でCAに声をかけたら「私たちはフライトを終えて那覇泊まりの予定だったのですけど、急きょ羽田に戻ることになりました」とのこと。それでも笑顔を絶やさず満席の客に対応していたのはさすがだ。
私はそのCAに起こされるまで、つまり離陸した瞬間から羽田に着いた後まで爆睡していた。
そりゃそうだ。緊張が途切れた安堵感から泡盛をしこたま飲んだんだもの。
 ANA深夜臨時便のサービス
 明かりが半分消された羽田空港では乗客全員が荷物を持って疾走した。電車の最終便に間に合うかどうかは時間の問題だったから。
その途中【ご搭乗ありがとうございました。おひとり様一個ずつお持ちください】と書かれた張り紙の下に、ペットボトルの水やウェットティッシュ、菓子パンが詰められたビニール袋が山積みになっていた。
ANAよ。それはみな、今まさに欲しかったものばかりなのだよ。 でもいったい何人の職員が、遅れて到着する臨時便の乗客のためにこれらをかき集め、袋詰めをしたのだろうか。何人の整備員が深夜残業を顧みずにわれわれの到着を誘導したのだろうか。それを考えたら心がふるえた。
「京浜急行、蒲田方面の最終電車発車まであと3分です!お急ぎください!」「お急ぎください!」と声を限りに叫んでいる初老の係員がいた。午前0時はとっくに過ぎている。
放心している暇もなく、重いスーツケースを抱え上げてひたすら走った。走った。息せき切って飛び込んだとたんに、背後で蒲田行き最終電車のドアが閉まったのだった。
**** このたびの台風8号で被害に遭われた方には、少しでも早い復興をお祈りします。 kaotti1さん、重たいモノを頭の上に載せてしまい、申し訳ありません。
Re: さらば、台風8号 kaotti1 - 2014/07/12(Sat) 20:20 No.5510
  なんという連携プレー。お見事でございます、師匠。 宮古島から那覇にそして羽田へと沢山の方々の心からの言葉と行動、そしてそれはまた師匠のお人柄から・・・とも思えるところがありました。
  かっちゃん駐車場のねぇねぇは関西出身で、去年お話して盛り上がりました。 話すほどに優しい気持ちが滲み出てくるようなステキな女性でしたね。今回師匠の旅行記読ませて頂いて更にそう思った次第です。
飛行機の座席ね、私の隣におっさん、いぇおじさまだったことありましたよ。
あれ?あ、そうか!私がおっさんだったんだ! そういうシステムってあるんですね。 真謝沖の珊瑚は圧巻です。こんなの見てみたいなぁ。 お食事処も参考にさせて頂きます。
実は一晩志堅原予約済みです^^ 師匠の心温まる旅行記、ずしりときました。
私のペラッペラで軽〜いレポに重しをして頂いたら、ちょっとは何か漬かってどこかから美味しいもんが出てくるかもしれません(ナイナイ)

Re: さらば、台風8号 コアラ - 2014/07/13(Sun) 09:36 No.5511
kaotti1さん、レスありがとうございます。本当にいい人ばかりですよね〜。
「この人のために何とかしてあげよう」と考えているのでしょうかね。「年齢不詳の」などと失礼な冠詞をつけてしまったお姉さんもいい人でした。次に行くときにはお土産を持っていかなくちゃ(こうしてお土産だけでひと荷物になってしまう)。
真謝ビーチは手前の藻場を100mぐらい延々と泳がなくてはいけないのが大変です。昨年のビーチはとてもよかったので今回83号線を走りながら入口を探したけれど、やっぱりまったくわかりませんでした。 それより、Barで隣に座った若い女性も一緒に泳いだのですが、さすが一人で宮古島に泳ぎに来ているだけあってフィンづかいがすごく上手でした。
kaotti1さんが久米島旅行記で書かれている通り、ちゃんとショップで教えてもらうべきですね。
足つっているおっさんを横目にザンザン泳いでいました。

Re: さらば、台風8号 tocchi - 2014/07/13(Sun) 17:59 No.5513
いろいろなドラマがあったのですね。 うちでは、7日早々に8日のフライトを9日に変更したのですが、空港で空席待ちをしようかとも迷っていました。 でも、我が家の場合は子連れだったこともあり、延期でよかったのかもしれません。
ふと疑問がわいたのですが、うちはJALだったのですが、臨時便というのは、ANAの空席待ちをしている人しか乗れないものなのでしょうか? ANAの航空券を持っている人で席が余れば他社の人も乗れるのでしょうか??? よく、欠航で他社便に変更ということも聞くので、その辺は未体験なので、もしもわかっていたら教えてくただければうれしいです。
それにしてもANAの心使いには感激ですね。 沖縄に夏行くには台風のリスクはつき物なので、そういう事態にも精通し、「達人」になりたいものですね。
それはそうと、なんと吉野でもかぶっていたようです。 うちは、もう少し下の宮古島市指定(?)の駐車場に止め、駐車料金とパラソル等で2〜3000円払ったと記憶しています。
もともと行く予定ではなかったので、リサーチもしていなかったため勝手がわかりませんでした。 いつもながらの素敵なレポート読ませていただきありがとうございます。

Re: さらば、台風8号 コアラ - 2014/07/13(Sun) 19:55 No.5514
「台風スペクタクル大巨編」と謳った割にはあまり盛り上がらなかったレポートで恐縮しています(笑)。吉野海岸はあの有料駐車場ができてから、腹が立って何年も訪れたことがありませんでした。シャワーとか施設は作ったけれど、有料を管理している人たちの顔つきは好きになれませんでした。
そこに勝っちゃんは、それはおかしいだろうと無料送迎を始めたと去年聞きました。とてもいい人たちです。もしまた行かれる時は勝っちゃんを使ってみてください。お金の問題ではないけれど、今回は一銭も払っていません。パラソルの使用料だけでも払ってくれば良かったなぁと思っていましたけど(請求されなかったので思いつかなかった)。
でも気を付けていればtocchiさんのナイスバディ水着が見られた?うう〜ん、残念(笑)。
臨時便は基本的に同じ航空会社を優先すると思いますよ。たぶんJALも臨時便は出していたのじゃないでしょうか。臨時便が発表されたときに空港にいることが必要ですから、子供さんがおられるとなかなか難しいかもしれません。帰着が遅れてもいいんであれば、那覇に二泊できたことはよかったと思います。

Re: さらば、台風8号 mini5518 - 2014/07/14(Mon) 15:36 No.5517

コアラさん、こんにちはmini5518です。 またまたドラマチックなレポートをありがとうございました。コアラさんのレポートを読んでいると本当に宮古島に行きたくなります。
私も今週末からまたLCCで本島に行ってきます。台風9号は大丈夫そうですが、週刊予報は良くないです。

Re: さらば、台風8号 コアラ - 2014/07/14(Mon) 18:49 No.5518
mini5518さん、こんにちは。すっかり「LCCの達人」になりつつありますね。
なぁに天気予報なんて気にせず、気合で晴らせてください。私も宮古島に行く前々日までは「曇り一時雨」でしたけど、着いたら連日ピーカンでした。台風が来るまでは。

さらば、台風8号 ナイチャー小林 - 2014/07/15(Tue) 13:45 No.5519
何時も素敵なレポート感謝です。 ダイエット本、確かに私も読むけど痩せないですね(笑)
吉野海岸の勝っちゃん、お話だけで会った事がありませんが、次回宮古に行ったら是非あってみたい方です。 台風直前、さすがに上手く回避されたようでよかった。 沖縄の海がいつまでも綺麗でいますように。

Re: さらば、台風8号 コアラ - 2014/07/15(Tue) 18:10 No.5520

上手く回避なんてとんでもない(笑)。ヒヤヒヤものでした。
臨時便が飛ぶとは知らなかったし、宮古島のお姉さんの助言もあって那覇の宿だけは確保したけれど、もしかしたらこのまま最終便の空席案内まで待つのだろうかと暗然としていました。
私の地元でたまに飲みに行くBarの若い女性が、梅雨が明けるころに沖縄本島を訪れたらしいです。「本当に親切にされました。道に迷っていたら地元の人が心配してくれて、知り合い総動員で道を教えてくれました。わたし、沖縄が好きになっちゃった」と言っていました。
かっちゃんとその仲間たち。とってもいい人ばかりですから、ぜひ遊びに行ってください。
紹介しているレストランはお酒が飲めなくても大丈夫です。
宮古島、離れてみたいのに離れられない。困りました(笑)。

Re: さらば、台風8号 恭 - 2014/07/15(Tue) 22:34 No.5521
不適切なため投稿できません!って・・。 どうしてだろう?こんなに健全なのに。 もう一度頑張ってみます!

Re: さらば、台風8号 コアラ - 2014/07/16(Wed) 01:04 No.5522

ハイサイ。恭さん! 私も今回は2回ほど(笑)。ためしに書き溜めたものを三分の一ぐらい(1/3)テスト投稿してみて、OKなら次を…というようにしてみてください。思いもよらない言い回しが規制対象になっているようです。 ↑このレスも規制を受けて7回ほど書き直しています。
なんででしょうね? がんばれ! 恭さんのレス、楽しみにしています。
あ。ご本人が健全かどうかは規制の対象になっていません(笑)。

Re: さらば、台風8号 恭 - 2014/07/16(Wed) 09:50 No.5523
コアラさん、ありがとうございます! 先ほどから1時間近く粘ってみてますが、だめですねぇ。
読んでいて「さすが〜」とか「私も!」「すごいなぁ・・」など、あとは新婚旅行であの台風に遭遇した友の話なんて事を投稿したいのに、なぜ出来ない〜(泣)

Re: さらば、台風8号 恭 - 2014/07/16(Wed) 09:59 No.5524
あっ、出来た! 勝っちゃんは私も大好きです!「来てくれてありがと〜」って、いえいえ、こちらこそありがとうです。吉野のおじさんにもとてもお世話になりました。 去年、大神島に行く時お財布を忘れてしまったのですが、船のお姉さんは「お金貸そうか」と言ってくれたり、最終的には船の出港を遅らせてくれました。 あのきれいな海はもちろん、こういう嬉しいことが宮古から離れられなくさせるんでしょうね。

Re: さらば、台風8号 恭 - 2014/07/16(Wed) 10:08 No.5525
しつこくごめんなさい! 新婚旅行の友はオリエンタルヒルズ泊!でも停電&あのでかい窓ですからホテルは移動、二度と沖縄には行かないと・・。
友人にもコアラさんの様な人との素敵なことがあったら良かったのにな、と思ってしまいましたよ。オリエンタルヒルズ、すごすぎてきっとホテルから出なくなっちゃうのかなぁって。

Re: さらば、台風8号 コアラ - 2014/07/16(Wed) 10:34 No.5527
恭さん、奮闘ありがとうございました。 大神島の話はいいですね〜。ホントに島を象徴しているような話です。アタフタしているこっちに対して、大丈夫、何とかなるよ。と受け止めてくれますものね。都会暮らしが長くなると「何かウラにあるんじゃないか?」と疑ってかかってしまうところがありますけど、どーんと懐に飛び込んでしまえばいいんですよね。
それが分かってからは、どこに旅をしても楽しい人たちと知り合えるようになりました。
ご新婚のご友人たちは残念でしたね。台風も楽しんでしまえばよかったのに(台風から逃げたヤツが言うな?)。 もっともっとステキなところがあるんだよ〜と伝えてあげてください。
追記: 気になって検索したら、オリエンタルヒルズってすごいゴージャスなホテルなんですね! でも、すごすぎてホテルから出ないというより、ほら新婚旅行ってほかのいろいろなことで忙しいから…ゲフンゲフン!(笑)

Re: さらば、台風8号 Iowa - 2014/07/19(Sat) 16:06 No.5529

宮古島のステッカーコアラ師匠、こんにち。
昨夜、帰着しました。 八重山では台風に振り回され、予定が狂いまくりましたが、宮古島では天候に恵まれ楽しく過ごすことができました。
コアラ師匠のマーキングが多少あちこちで波紋を呼びましたが、その詳細をここに記すことは差し控えます。 8号については宮古島では完全に拍子抜けで、市長が対策本部でたいしたことなかったためオトーリを回したことがマスコミにばれ、新聞ネタになっていました。宮古島でのことですから、大多数の市民は、あきれてはいても怒ってはいないと思います。
ところで、お年を召した仙人に1時間半も引っ張らしては駄目ですよ。大変だったと言っていました。

Re: さらば、台風8号 Iowa - 2014/07/19(Sat) 16:14 No.5530
たこ捕り 最終日の昨日、どこへ行こうかとブラブラしながら真謝漁港へ下りてみると犬を連れたマスターが散歩を終えたところでした。 これから家に戻り道具を取って来てやるとのことで、同行させてもらいました。 ただ泳ぐだけでおもしろくないのと、ここのところ真謝では2連敗中なので期待できないけどとの事でしたが。 いやー、タコ獲りって大変です。
私はそばで仙人を右や左に見ながらのんびり付いて行っただけなのですが、仙人はタコのいそうなポイントを求めてジグザグに泳ぎ続けなければならないんです。 そして泳ぐこと小1時間、ついにタコを見つけました。
ここからがさらに大変。穴の中に居るタコをヤスで突けば獲れると思っていたのですが、実際には見えないタコを突いた感触で確認すると、いろんな道具を三種類ぐらい使って、出まいと抵抗するのを引っ張り出さなければならないんです。 波が入って来ているため身体を安定できない中、15分ぐらい悪戦苦闘したでしょうか、ようやく穴から引っ張り出すと、最後に墨を吐いて降参しました。
写真は奮闘する仙人です。

Re: さらば、台風8号 コアラ - 2014/07/21(Mon) 18:45 No.5531
返信が遅くなって申し訳ありません。これとは別にペーパーで父や親せきに郵送する旅行記をまとめたり、写真をホームビデオで見られるように編集したりと多忙な週末を送っておりました。
父もそうですが、親戚も足が悪いとか持病もちとか旅行に出られない人が多いので、こんな私の旅行記でも楽しみにしてくれているのですよ。
いや今年は仙人に迷惑をかけちゃいました。 でも引っ張ってもらったおかげで、真謝ビーチの水中動画はとてもなめらかでした(笑)。 仙人のタコ獲りは昨年のヒミツビーチNo.2で見ました。
あれは大変ですよね。
最近漁師の鑑札?を取得したみたいで、これからは堂々と何でも獲れるらしいです。
何が商売なんだかわからなくなってきましたね。

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